第18回
地域の中での在宅訪問管理栄養士の役割


◆第18回北九州在宅医療・介護塾研修会
テーマ : 地域の中での在宅訪問管理栄養士の役割
主催 : 北九州在宅医療・介護塾
日時 : 平成30年10月19日(金曜)、午後7時~
会場 : 国立病院機構 小倉医療センター 地域医療研修センター 鴎ホール

今回の研修は、公益社団法人福岡県栄養士会理事、医療法人にのさかクリニック在宅訪問管理栄養士 小渕智子先生により、「地域の中での在宅訪問管理栄養士の役割」を演題にして、参加者55名で開催されました。

小渕先生は、療養者や家族が抱えている栄養に関する課題について、・入院中、入所中のような食事の形態にするにはどうしたら良いのか。・食事管理が上手くいかないため、病状や身体機能が悪化している。・ホームヘルパーの方に治療食や介護食作りをお願いしたい。・栄養が足りているか、偏っていないか悩んでいる。・食べる量が減り、身体が弱ってきている。 ・排便がうまくいかない。・褥瘡が出来てしまった。・食べたり飲んだりすると、すぐむせるようになった。などをあげられました。

これらの課題に対して、どのような食事をしていいのか、飲み込みが悪くなったからどのような形態の食事を摂ったらいいのか、そのような食材はどこで入手できるのかなど、「最後まで食事を楽しみたい」という療養者や家族の想いに応えるために具体的な事例を取り上げ、訪問栄養食事指導の仕組みや日頃の取組みなど紹介されました。

そして小渕先生は、「在宅療養高齢者」は、複雑な合併症(腎不全、慢性閉塞性肺疾患、脳血管障害、悪性腫瘍他)を抱えていると伴に、栄養管理を行うための問題として摂食・嚥下障害、認知症、低栄養(サルコペニア、フレイル)があり、これらの問題に応えるには、・食べたい、食べさせたい気持ちに寄り添う、・食事に対する想いや思い出話を傾聴する、・消化機能の状態や体調、好みに合わせて食事負担を減らしたり、治療食(疾病にあわせた食事)⇒介護食(摂食・嚥下障害に合わせた食事)⇒緩和食(合併症や苦痛を回避し、穏やかな療養生活が営めるための食事)の「治療食から介護食、さらには緩和食を含めた栄養指導が必要ということでした。

さらに、適正に栄養指導を行うには、個々の病態に応じて食前(経済状態の考慮、献立を考える、買い物・調理するなど)、食中(姿勢、摂食動作、咀嚼・嚥下能力や食介助など)、食後(消化・吸収能力や排泄など)について評価を行い、療養者に関わっている訪問歯科医師、訪問看護師、介護士、介護支援専門員などとともに、療養者・家族と多専門職との適切な”連携と協働”を図ることが求められるということでした。

在宅療養者の「療養生活の質」を改善し、”生きる”を支えるには個々の病態に応じた栄養管理を行うことが必要といえますが、在宅訪問管理栄養士単独では栄養管理に限界が生じるため、この限界を乗り越えるためには、在宅訪問管理栄養士は「療養者・家族と医療・介護の専門職とを繋ぐ”役”に徹すること」と熱く語られました。

約2時間にわたる研修会でしたが、在宅訪問管理栄養士の役割の一面について理解できた機会となったようです。


▼第18回参加者

▼会場の様子

アンケート結果▼ グループワーク▼